なぜ、あなたの「正論」は部下に響かないのか?
情報伝達を超えた、真のリーダーシップのための対話論。
図:リーダーが費やす労力 vs 実際の信頼構築への影響度(概念図)
多くのリーダーが陥る誤解。それは「コミュニケーション = 正確な情報の伝達」だと思い込んでしまうことです。 「今期の目標はこれだ」「データはこうなっている」...確かに正確性は重要です。しかし、それだけならAIやメールで十分です。
人間相手にリーダーシップを発揮する時、この「情報伝達偏重」の姿勢こそが、実は最大のボトルネックになっています。
社会心理学の視点では、コミュニケーションには7つの多面的な機能があります。 ビジネスでは「情報」と「解決」ばかりが重視されますが、それは全体の一部に過ぎません。
喜び、悲しみ、怒りなどの情動的反応を共有する。
親睦を深め、信頼関係(ラポール)を作る。
アイデンティティを確認し、承認を求める。
ビジネス現場で起きがちな「機能不全」の可視化
意識されやすい部分。「ロジックとしてはこうだ」「数字はこうだ」。
見落とされがちな土台。これはいわば「Wi-Fi環境」です。 ここが繋がっていない状態で、いくら高解像度の「正論データ」を送っても、パケットロスするだけで絶対に届きません。
それは思考の整理(外在化)です。
人は「相手に伝えるため」だけでなく、「自分の考えを整理するため」に話しています。
聞き上手なリーダーとは?
面白い返しをする人ではありません。部下にこの「思考の整理サイクル(オートクライン効果)」を回させてあげられる人です。
「大変だったな」「頑張ってるな」。まずは共感し、通信インフラである関係性を確立します。
「どう思う?」「君ならどうする?」。遮らずに問いかけ、彼らに喋らせて、自分で答えを見つけさせます。
ここまできて初めて、あなたの「正論」や「データ」を伝えます。土台があれば、情報は必ず届きます。
遠回りに見えるこのプロセスこそが、
人を動かす最短ルートです。